タイ 伝統工芸に新たな息吹 セラドン焼、熟練職人が絵柄施す

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 中国から数百年前に製法が伝えられたといわれるタイ北部チェンマイの高級陶磁器、セラドン焼。翡翠(ひすい)のようなみずみずしい色とシンプルな作風が日本人にも人気だが、最近は細かい絵柄を施した作品も登場し、伝統工芸に新たな息吹が吹き込まれている。

 チェンマイ中心部から南東へ約15キロにあるセラドン焼の有名店「バーン・セラドン」。日本の大手生活雑貨店にも製品を輸出しているこの店で目を引くのが、花やタイの歴史絵巻を描いたティーカップやつぼだ。

 「器に絵があれば、そこから会話も生まれるでしょう」とオーナーの女性、タッサニー・ヤーチャーさん。タイで咲く花が描かれたティーカップを手に取り、「お茶を飲みながら外国人にタイの文化を伝えられる」とほほ笑んだ。

 セラドン焼は元来、無地で薄緑色の表面にひび割れが入るのが特徴で、素材の厚みが作り出す丸みを帯びたデザインが楽しまれてきた。

 だが、タッサニーさんは「伝統と現代の融合」を重視。伝統技術を継承しながら、カップに絵柄を付けたり、イヤリングなどのアクセサリーを作ったりと新たな作品に挑戦している。

 同店では、併設した工房で約40人の職人が交代で作業する。絵柄を付ける工程では、5年以上かけて技術を習得した職人たちが太さ1ミリ以下の筆を使い、呼吸に緩急を付けながら色を塗っていた。高さ約70センチのつぼを制作するのに絵柄だけで1カ月以上かかるという。絵柄を付けたティーカップは一つ、2000バーツ(約6900円)前後。

 タッサニーさんは「ぜひ毎日の生活の中で使ってほしい」とアピールしている。

発信元: http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130522/mcb1305220501008-n1.htm

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