タイ大手銀に過半出資する 三菱UFJ買収戦略の内幕

VN:F [1.9.22_1171]
Rating: 0.0/10 (0 votes cast)


千載一遇のチャンスだった。2012年9月、経済成長が続くタイで、資産規模5位のアユタヤ銀行(預金残高約2兆1600億円、貸出残高2兆6100億円、純利益460億円、12年時点)の株が売りに出されるとの情報が、世界の金融機関を駆け巡った。

 売り主は、当時約33%の株を保有していた米ゼネラル・エレクトリック(GE)の金融子会社、GEキャピタル。07年のアユタヤ銀への出資後、面白いように株価が上昇し投資リターンが膨らむ一方で、ドッド・フランク法など米国の金融規制強化の網に引っかかり、事業再編を余儀なくされていた。

 情報を受け、アジア事業を強化している日本の銀行勢は一瞬、色めき立ったが、すぐに壁にぶち当たる。タイの単一持ち株(シングル・プレゼンス)規制によって、アユタヤ銀に出資した場合、現地に開設している支店を統廃合しなければいけないためだ。

「過半出資するしかない」。規制を目の前に他の邦銀が二の足を踏む中で、三菱東京UFJ銀行(BTMU)は躊躇しなかった。証券業務で資本関係があり、GEの財務アドバイザーとなっている米モルガン・スタンレーの情報も生かしながら、すぐに昨秋の1次入札に向けた準備に取りかかった。

発信元: http://diamond.jp/articles/-/38200

Review

Blog Search : タイ大手銀に過半出資する 三菱UFJ買収戦略の内幕
RSS