3月3日にデビュー10年目突入をお祝いするイベント<Hello! Project 春の大感謝 ひな祭りフェスティバル 2013 ~Berryz工房10年目突入スッペシャル!~>をパシフィコ横浜にて開催したBerryz工房。彼女たちといえば、その人気は日本だけにはとどまらない。3月9日にはタイにてコンサートを開催した。
◆<Berryz工房コンサートツアー2013春 in Bangkok> 画像
オフィシャルからレポートが届いたので、紹介しよう。
◆ ◆ ◆
2008年にアジアソングフェスティバルにてアジア最高新人歌手賞を受賞して以来、アジア展開にも力を入れているBerryz工房が、3月9日タイ・バンコクで<Berryz工房コンサートツアー2013春 in Bangkok>を開催した。
’10年3月に同地での初単独コンサート<Berryz工房 First Live in Bangkok>を成功させている彼女たち。その後もPR活動などで何度もタイを訪れている。さらには、タイの人気歌手・俳優のトンチャイ・メーキンタイのヒット曲をカバーした「cha cha SING」を29枚目のシングルとして2012年に発売。また、タイの大手レコード会社・GMMグラミーの協力も得て、Berryz工房のCDの一部にはタイ盤が存在し、タイ国内でも購入可能になっている。
“なぜ、タイなのか?”というと、そこには会員数・数千人規模とも言われる現地の私設ファンクラブの力もあるという。
「現地の私設FC会員からの、タイでコンサートをやってほしいという多くの署名がこちらに届いてます。プラス、現地の主催イベンターやレコード会社、さらに日本文化の一部としてアイドルを伝えたい日本語学校の意向など多くの方々の協力があって、Berryz工房のタイでのコンサートは成立しています」── アップフロントグループ関係者
実際、開場前から会場付近には、自作の応援Tシャツや応援グッズに身を包んだ現地ファンの姿がとても多く見受けられた。しかも、みんな仲が良い。日本のように数多くイベントやコンサートが開催されている環境ではないにもかかわらず、横の繋がりがきちんとできているのも、日頃、ソーシャルネットワークなどを通じて交流を深めている私設ファンクラブの活動のおかげなのかもしれない。
そして、女性ファンの姿も多い。男女比7:3といったところか。また、ハロー! プロジェクトの他のグループの応援Tシャツを着たファンの姿も。日本で発売されているオフィシャル写真の交換会なども行なわわれており、覗いてみると、モーニング娘。や℃-uteのメンバーの写真もちらほら。Berryz工房はもちろん、ハロプロ全体の人気の高さがうかがえる。
現地ファンに、「どうやってBerryz工房やハロプロの存在を知ったか?」を聞いてみると、「YouTubeなどの動画サイトを通じて」という意見が圧倒的だった。今でこそアイドルのミュージックビデオはYouTubeなどで普通に観ることができるが、振り返るとYouTube黎明期には、ミュージックビデオを無料公開することには賛否両論あった。
そんな中、早い段階で全編の無料公開をし、オフィシャルチャンネルまで作ったのが、アップフロントグループだった。プロモーションの一環と割り切った早期の決断が、今こうして実を結んでいるのかもしれない。そして、後発のアイドルグループより世界戦略という点で一歩も二歩も先んじている要因なのだろう。
コンサートの開演前には、Berryz工房のコピーグループのパフォーマンスが入口横のステージで行われており、それに合わせてファンも大盛り上がり。その光景は、さながら本公演の予行演習。出演グループの振付コピーの精度の高さにも驚かされたが、自作と思われる衣装も本物そっくりで、彼らの熱意には驚かされる。
開演。オープニングSEにのってメンバーがステージに登場するだけで、黄色い声援が会場を包む。現地ファンがどれだけこの日を心待ちにしていたか。それが痛いほど伝わってくる大歓声だ。1曲目の「アジアン セレブレイション」で一気に盛り上がると、2曲目の「あなたなしでは生きてゆけない」では、特徴的な振付を真似するファンの姿も多かった。この2曲は、言うまでもなくBerryz工房の最新曲とデビュー曲。これをともにきちんと対応できている現地ファンには軽く衝撃すら覚える。
最初のMCでは、「2年前の震災の時にタイの方々に多くの支援をいただき感謝しています。その恩返しを今日はできたら嬉しいです。」と、キャプテン・清水佐紀が熱い思いを語った。そこからアルバム曲、タイの人気歌手・俳優のトンチャイ・メーキンタイのカバー曲などが続いていくが、ファンの熱気は高まるばかり。応援方法も様々で、日本のファンはある程度統一した動きや声出しでの応援を好むが、タイのファンは各々が自分の欲求をそのまま開放して、自由に跳んだり、手を振ったり、振付を真似している印象だ。しかし、もちろん揃えるところは揃える。コンサート中盤の各メンバーがソロで歌うコーナーでは、メンバーごとにそのイメージカラーのサイリウムで会場が埋め尽くされる。日本のコンサートではおなじみの光景が、言語や地域、国を超えて、ここタイで感動とともに広がっていく。
また、今回のコンサートの中ではプレゼント抽選会や記念撮影も行なわれた。当選者にはタイはもちろん日本から駆けつけたファン、台湾、中国などのファンがいて驚かされた。質問コーナーの中で現地のファンから「とてもカワイイ髪型ですが、変える予定はありますか?」と尋ねられた嗣永桃子は「まだあまり真似してくれる人がいないので、流行ったらやめようと思います!」と答え、笑いを誘った。また、同じく嗣永は、「ももちと一緒にごはんを食べに行きたい!」という質問(!?)にも、「ももちはみんなのアイドルだから無理ですね。許してにゃん☆」と、バラエティ番組で鍛えた切り返しで対応をみせた。
後半戦はシングル曲を続け、「一丁目ロック!」や「友情 純情 oh 青春」など盛り上がり必至な曲を披露。アンコール1曲目の「雄叫びボーイ WAO!」の後のMCでは、嗣永桃子がタイ語で「私、かわいいですかー?」と客席に振り、「かわいい!」と応えさせるコール&レスポンス(!?)を数回繰り返して場をあたためた。
そして、最後の曲「cha cha SING」。やはり現地のファンにとってこの曲は特別なようである。振付を真似したりフリーで踊ったり、まさにお祭り騒ぎだ。会場のビジョンに映されるファンは誰もが笑顔だった。
計25曲を歌い切ったBerrzy工房は、「みなさんと歌って踊れてとても楽しかった。またタイでコンサートをやりたい!」と、再びのタイ訪問を約束した。
終演後には、昼の部と夜の部、両方参加者限定の握手会が行なわれたが、ほとんどのファンが列に並んでいた。日本から来たというファンのひとりは、遠くから来たという熱意をメンバーに伝えたいと意気込んでいた。握手会後は現地のファンとのオフ会に参加するという。タイ語はまったくできないそうだが、Berryz工房への熱い気持ちの前に、言語の壁など取るに足らない問題。きっと大丈夫だ。
また、Berryz工房が好きすぎて日本に移住し、さらに広くBerryz工房を広めるべく自身が購入したであろうCDをタイで配っているという台湾人ファンもいた。
こんなふうに日本のアイドル・Berryz工房がアジアで純粋に愛されていること。その気持ちの前には、国境や言葉といった問題が問題にすらならない、ということ。それは、日本人として少し誇らしい気持ちになる。そして、Berryz工房を中心にアジアはひとつになれるような気がしてくるから不思議だ。この想いの前には、“アイドル戦国時代”なんていうムーブメントのようなものも、日本という小さな島国の、極地的な盛り上がりに過ぎない。そんなふうに思えてくる。
なお、Berryz工房は、3月10日は、ミャンマー・ヤンゴンで開催される<Japan Festival 2013 in Myanmar>に、徳永千奈美、須藤茉麻、夏焼雅の3名が参加する。
先日、結成10年目に突入したBerryz工房。これから彼女たちは、アジア圏でどんな活躍をし、どんな結果を残してくれるのだろうか。
発信元: http://www.barks.jp/news/?id=1000088234