タイ南部6人死亡 教師狙い銃撃相次ぐ

VN:F [1.9.22_1171]
Rating: 0.0/10 (0 votes cast)

イスラム過激派によるテロが続くタイ南部で、先月下旬から教師への銃撃事件が相次いで六人が殺害されたことから、約千二百校の公立学校が臨時休校する騒ぎになっている。大勢の兵士や警官が学校周辺や路上で警戒に当たるが、教職員の間では警備に対する不満やテロへの不安が高まっており、週明けの学校再開に向けタイ政府は対策を迫られている。 

 銃撃は先月下旬からパッタニー、ナラティワートの両県で続発。学校近くで女性校長(52)と女性教師(32)が射殺され、男性教師(52)が重傷を負うなどした。さらに、二校が放火されて全焼した。
 ナラティワート県の教職員団体は警備強化を求めて休校を要請。県内の約三百三十校は六日から休校し、十一日に再開したばかりだったが、翌日朝、県内の飲食店で武装グループが銃を乱射して教師二人を含む四人を殺害。さらにパッタニー県でも治安部隊を装った五人が学校に侵入し、昼食中の女性校長と男性教諭を射殺した。
 この事件を受け、両県とヤラー県では十二日から約千二百の公立校が一斉に休校。十七日に再開予定だが、パッタニー県の第一初等教育地区事務所のノッポーン所長は「週末に軍の担当者と話し合い警備態勢が改善されれば学校を再開する」と語った。ただ、再開に反対したり、転勤を希望する教師が増えているという。
 軍や警察はいずれの事件もイスラム過激派の犯行とみている。
 人口約二百万人のうちイスラム教徒のマレー系住民が九割を占める南部三県では、二〇〇四年から爆弾や銃によるテロが頻発し、兵士や市民ら約五千人が死亡。教師も「公立学校は中央政府の支配道具」として狙われ、主に仏教徒の教師百二十四人と職員三十四人が殺害されている。
 パッタニー県では幹線道路に検問所が何カ所も設置され、学校では兵士らが二十四時間態勢で警戒に当たっている。十三日にはインラック首相やプラユット陸軍司令官が現地で教職員らと対策を協議。警備強化や被害者への補償拡充を約束した。

発信元: http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012121502000129.html

Review

RSS表示パーツ