三菱UFJ:タイのアユタヤ銀買収へTOB-最大5600億円

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 7月3日(ブルームバーグ):三菱UFJフィナンシャル・グループ は2日夜、タイの大手商銀、アユタヤ銀行を公開買い付け(TOB)により買収すると正式に発表した。同行株25.33%を保有 する米ゼネラル・エレクトリック(GE )から全株取得する契約を締結。他の既存株主からも含め最大75%の取得を目指す。

TOBは三菱東京UFJ銀行が11月上旬から12月にかけて実施。TOB価格は1株当たり39タイバーツで、日本円に換算すると75%の取得に必要な資金は約5600億円に上る。原則過半の取得を目指すが、応募がそれ以下でも全株式を買い付ける。タイ当局への出資に関する認可申請は3日以降に行う。邦銀がアジア銀を直接経営するのは初めてだ。

三菱UFJはアユタヤ銀のオーナーで現在も約25%を保有するラタナラックグループと協力しながら同行の経営を主導していく考えだ。最大目標の75%取得はラタナラックがTOPに応じないことを前提としている。三菱UFJ側は過半を取得できた場合には、役員を派遣する方針だ。経営権の取得後もタイ市場での株式上場は維持する。

三菱UFJは2008年にカリフォルニア州のユニオンバンカルを買収後、完全子会社化し、北米で個人(リテール)・法人(ホールセール)両部門の事業基盤を確立。M&A(合併・買収)により国際事業の強化を進めている。経済成長が続く東南アジアでアユタヤ銀行を同地域の営業基盤として活用し、さらなる海外事業の拡大を図る。

三菱東京UFJ銀行のタイの支店はアユタヤ銀と統合することを検討する。この背景には、現地に支店を持つ外国の銀行がタイの銀行への出資に関する規制などがある。また関係者によると買収後、三菱UFJはラタナラックから取締役会メンバーを受け入れることについても協議している。

「アジアのユニオンバンカル」

ドイツ証券の山田能伸アナリストは、「とても意味がありポジティブな案件だ。アジアのユニオンバンカルを目指すことになる」と米国子銀行と同等の収益力を持つ銀行の買収であると評価。その上で、アユタヤ銀の取引は個人や中小企業中心で大企業が少なく、「三菱東京UFJ銀のタイ支店と統合すればリテールとホールセールがうまくバランスしたいい銀行になる」との見方を示した。

アユタヤ銀は昨年12月末の資産規模でタイ5位の商業銀行。1945年設立で同国内に601拠点を展開する。大手邦銀では日本国内の融資低迷などを補うため、三井住友FGが5月に約1500億円でインドネシアの銀行の株式40%を取得すると発表。みずほ も昨年ブラジル銀を買収した。三菱UFJもほかにベトナムの銀行への出資を決めている。

三菱UFJの2日の株価は前日比8円(1.3%)高の639円で取引を終了した。アユタヤ銀の株価は同1.5バーツ(4.2%)高の37バーツで取引されている。

発信元:http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MOW47U6JTSF301.html

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